GPS発信機で車両追跡はできる？地下や屋内での落とし穴

駐車場

• ショッピングモールの大型駐車場
• 地下駐車場や屋内駐車場
• マンションや集合住宅の共同駐車場
• 長期駐車可能な駅前駐車場

これらの場所は、人の出入りが多く、車両の管理が行き届きにくい傾向があります。特に夜間は監視の目が行き届かず、盗難のリスクが高まります。

路上駐車エリア

• 繁華街や飲食店が集中する地域
• 住宅街の路上

路上駐車は、周囲の目が届きにくく、盗難犯にとって狙いやすい環境となります。特に深夜から早朝にかけては要注意です。

イベント会場周辺

• コンサート会場
• スポーツ施設
• お祭りなどの屋外イベント会場

大勢の人が集まるイベント時は、駐車場が混雑し、車両の管理が難しくなります。また、イベントに夢中になっている間に盗難が起こるケースもあります。

観光地

• 有名な観光スポット周辺
• ビーチや海水浴場
• キャンプ場

観光客は土地勘がなく、警戒心が薄れがちです。また、長時間車を離れることも多いため、盗難のリスクが高まります。

以上の場所では特に注意が必要です。GPS発信機を活用することで、万が一の盗難時にも早期発見・追跡が可能となり、被害を最小限に抑えることができます。

GPS衛星からの電波を受信して位置を特定

GPS発信機は、GPS衛星から発信される電波を受信して自身の位置を特定します。GPS衛星は地球を周回する軌道上に配置されており、常に位置情報を送信しています。

GPS発信機はこの電波を複数の衛星から受信し、三角測量の原理で自身の正確な位置を割り出すことができます。つまり、以下の3つの要素から位置を算出しています。

• 衛星からの距離
• 衛星の軌道上の位置
• 時刻情報

リアルタイムで位置情報を送信できる

GPS発信機は、車両の現在位置をリアルタイムで送信できます。車両に搭載されたGPS発信機が、GPS衛星から送信される電波を受信し、その情報から自身の位置を特定します。特定した位置情報は、発信機から専用のサーバーやスマートフォンアプリに定期的に送信されます。

例えば、次の表のような利用シーンが考えられます。

このように、GPS発信機によってリアルタイムで車両の位置を把握することができ、様々な用途に活用できます。

追跡履歴の記録と遠隔監視が可能

GPSを搭載した発信機なら、車両の移動経路をリアルタイムで追跡できるだけでなく、過去の履歴も記録できます。日時、位置情報、速度、方位角などの詳細なデータが記録され送信されます。このようにGPS発信機を活用することで、車両の位置情報や移動ルートを正確に把握することができます。さらに、パソコンやスマートフォンからリアルタイムで車両の位置を遠隔監視することも可能です。このため、万が一車両が盗難にあった場合でも、追跡や発見につながる貴重な情報を得ることができるのです。

盗難車の早期発見と追跡が可能

GPS発信機を車両に設置しておけば、万が一車両が盗難にあった場合でも、リアルタイムで位置情報を追跡できます。追跡履歴の記録機能があるため、盗難車がどこを経由して移動したかも分かります。

但し、盗難車両を追跡するためには、GPS発信機は高頻度で位置情報を送信する必要があり、最低でも数秒単位の間隔が必要でしょう。

盗難車両の移動経路が分かれば、早期に発見・確保できる可能性が高まります。盗難車両の追跡だけでなく、事故時の位置特定や安否確認にも役立ちます。

運転状況や移動経路の把握に役立つ

GPS発信機を車両に搭載することで、リアルタイムで車の位置情報を把握できるようになります。運転手の運転状況や移動経路を随時モニタリングできるため、次のようなメリットがあります。

• 無駄な移動を削減し、効率的な運行計画が立てられる
• 渋滞や遅延の早期発見により、スケジュール調整が可能
• 運転手の危険運転や無理な運転を防止できる

例えば、配送業者であれば配送ルートの最適化に活用できます。また、移動販売や営業職の方は、移動経路の分析により業務の効率化を図ることができるでしょう。

このように、GPS発信機を使えば運転状況を細かくモニタリングでき、業務の最適化や経費削減に大いに役立ちます。

事故時の位置特定や安否確認に活用できる

事故の際、GPS発信機を搭載していればリアルタイムで位置情報が分かります。これにより次のようなメリットがあります。

迅速な救助・対応が可能

位置が分かれば、すぐに救助隊を手配できます。遠隔地の事故でも早期発見と対応ができます。

安否確認が可能

リアルタイムで位置が分かれば、家族に安否を伝えられます。不安を解消し、適切な対処を家族と相談できます。

事故の際は、GPS発信機の位置情報を活用することで、迅速な対応と家族への連絡が可能になります。万が一の事態に備え、GPS発信機の設置をおすすめします。

地下や屋内など電波が届かない場所での追跡が不可能

GPS発信機は衛星からの電波を受信して現在位置を特定するため、地下駐車場や建物の中など電波が届かない場所では位置情報を取得できません。

つまり、GPS発信機を車両追跡に利用する際、電波が届かない場所での追跡はできないという大きな落とし穴があります。盗難車が地下に連れ込まれた場合など、追跡が出来なくなります。このため、GPS発信機には、GPS以外に位置特定を可能とする機能を有するものを選択しましょう。

バッテリー切れや故障で位置情報が取れなくなるリスク

GPS発信機は電力駆動ですので、バッテリーのみの製品では、バッテリー残量が少なくなると動作が不安定になり、最悪の場合は位置情報を送信できなくなります。また、落下や衝撃による故障も発信機が正常に機能しなくなる原因になります。

このようにGPS発信機単体では不確実性が伴うため、次のような対策が必要です。

• 内蔵バッテリー専用機の場合は定期的なバッテリー交換の実施
• 振動や衝撃から守るための設置場所の工夫
• 内蔵バッテリーと車載バッテリー給電の複数給電に対応した製品から選択

このように、GPS発信機にも色々なタイプがあります。製品選定の際には、利点と欠点を正しく把握し、欠点がある製品の場合は、運用面でのフォローが重要になります。

プライバシー侵害の恐れがある

GPS発信機は車両の位置情報を常にリアルタイムで把握できる利点がある一方で、プライバシー侵害のリスクも否めません。例えば、車両の移動経路から個人の行動パターンを推測されかねません。また、悪用されれば家族や恋人の気づかないうちにプライバシーを侵害される恐れもあります。適切な場所への発信機設置や位置情報の閲覧制限設定などの配慮が必要です。