リアルタイムの位置情報把握

GPSを使用すると、車両の現在位置をリアルタイムで確認できます。これにより、万が一盗難に遭った場合でも、すぐに車両の位置を特定できます。

迅速な対応が可能に

位置情報がわかれば、警察への通報や保険会社への連絡をスムーズに行えます。早期発見・早期回収につながり、被害を最小限に抑えることができます。

抑止力としての効果

犯罪者は追跡されるリスクを避けるため、GPS搭載車を避ける傾向があります。GPSが搭載されていることを示すステッカーなどを貼ることで、盗難の抑止力になります。

運転履歴の記録

多くのGPS機器は運転履歴を記録する機能を持っています。これにより、不審な動きがあった場合の確認・家族の安全確認・業務用車両の管理などにも活用できます。

このように、GPSを活用することで、車両の盗難リスクを大幅に軽減できるだけでなく、様々な面でメリットを得られます。

GPS発信機の概要

車両盗難時に車の所在地を確認できる「GPS追跡システム」は、車内に小型のGPS発信機を設置することで実現します。この発信機がGPS衛星からの電波を受信し、自車の位置情報を専用サーバーに定期的に送信するのが基本的な仕組みです。

この位置情報は、スマートフォンのアプリやウェブサイトから確認が可能です。

多くのGPS発信機には以下のような機能が備わっています。

• 現在位置の確認
• 移動中や停止中などの車両の状態
• バッテリーの状況

このように、GPS追跡システムを利用することで車両の位置を常に把握でき、盗難時の捜索にも役立ちます。

位置測位機能の種類

GPS発信機の位置測位機能には、単にGPSのみを用いる装置と、GPS以外の測位方法を併用するタイプがあります。

以下に、代表的な測位方法について記載しますが、全てを兼ね備えたGPS発信機が理想的です。

GPS測位

正式にはGNSS測位と呼ばれるもので、GPS（米国）、QZSSみちびき（日本）、Galileo（欧州）、GLONASS（ロシア）、BeiDou（中国）の人工衛星からの受信電波を基に位置測位を行うものです。以下の2方式より測位精度は高いですが、地下や屋内では測位できないのが欠点です。

Wi-Fi測位

自宅や会社、公共の場で使用されるWi-Fi電波の強弱情報を基におおよその位置を測位する方式です。スマートフォンなどで地下街でもおおよそ現在位置が判るのはこの方式になります。

基地局測位

キャリア基地局からの電波強弱を基に位置を測位する方式です。電話が繋がる範囲全てで測位できるので最も広範囲に対応しますが、他の2方式に比べて測位精度は格段に劣ります。

付加機能

付加機能としては、次のようなものがあります。

• 振動検知：振動を検知して通知する
• バッテリー残量通知：バッテリー残量が一定以下になると通知
• 取り外し通知：車載バッテリーと切り離されると通知

通知方式

通知の方法としては、以下がありますが、全てに対応しているのが理想です。

• アプリ表示：アプリ画面にて車両の状況を表示
• プッシュ通知：スマートフォンのプッシュ通知機能で表示
• 電話通知：指定の電話に音声コールによる通知

これらの通知機能により、車両の異常をいち早く認知し、盗難の場合はアプリやWebブラウザで、車両の位置情報をいち早く確認できます。

測位方式の多様性

車は常にGPSで測位できる場所にあるとは限りません。愛車の位置を正確に把握するためには、GPS発信機の測位精度も重要ですが、GPS電波が受信できないような場合でも、一定精度で位置測位できることが重要になります。どのような位置測位方法に対応しているかは製品によって異なります。自分の愛車を守るには、予算内で最も多くの方法に対応した製品を選ぶことが賢明でしょう。

測位間隔の短さ

今回測位から次回測位までの間隔は重要な要素のひとつです。人が持つことを前提としたGPS発信機は、電池（バッテリー）式で小型軽量が重要なため、測位・通信間隔が長めです。人が歩く速さは時速4km前後ですので、長めの測位間隔でも問題ありませんが、人の十倍から数十倍の速度で移動する車両の現在位置を正確に把握するには、最低でも秒単位での測位間隔は必要でしょう。

バッテリー持続時間と常時給電

GPS発信機の重要な性能指標のひとつがバッテリー持続時間です。

元々、GPS衛星を用いた位置測位と4G LTE通信は電力消費量が大きく、スマートフォンでナビを利用すると、バッテリーが早く減るのと同じことです。

このため、バッテリーを長く持たせるためには、各社のノウハウが重要となります。一般的には、移動状況を検知して測位間隔や通信間隔を変化させたり、休止させたりすることでバッテリーを持たせる工夫をしていますが、やはり、内蔵バッテリーだけで機能を満足させるのは難しいのが現状です。ベストな選択は、車載バッテリーと、内蔵バッテリーを併用して、普段は車載バッテリーと連動して動作し、窃盗犯がバッテリーとの接続を切っても、暫くは内蔵バッテリーで動作するタイプが理想的と言えるでしょう。

サイズとデザイン

GPS発信機は車内の設置場所を選びやすいよう、一般的に手のひらサイズの小型設計となっています。

コンパクトサイズながら、見つけにくい場所に隠して設置できるよう、デザインも工夫されています。設置予定場所に応じた形状のGPS発信機を選ぶのも良い選択でしょう。