【比較】PITBULLとREGUITは何が違う?
車両盗難時の「追跡力・追尾力」を整理
積載車・レッカー・深夜盗難まで想定して、GPSトラッカーの役割を考える
近年の自動車盗難では、リレーアタック、CANインベーダー、キーエミュレーターなど、電子的な手口が注目されています。 さらに、エンジンを始動せずに車両を持ち去る積載車・レッカー型の盗難も、今後想定しておきたいリスクのひとつです。
ただし、GPSトラッカーは車を物理的に止める装置ではありません。 社外セキュリティや物理ロックが「盗ませない対策」だとすれば、GPSトラッカーや車両追尾システムは、 万一車両が動かされた後に早く気づき、位置を追い、発見・奪還につなげるための備えです。
この記事では、エーモン工業のPITBULL GPS TRACKERと、テクラ株式会社のREGUITを比較し、 それぞれがどのような用途に向いているのかを整理します。
この記事の要点
- PITBULLは、異常検知・位置確認・家族共有を重視したGPSトラッカーです。
- REGUITは、盗難時の電話通知・約5秒間隔の高頻度更新・SNS拡散機能を重視した車両盗難時追尾システムです。
- どちらもGPSだけでなく、基地局やWi-Fiなど複数の測位情報を活用します。
- 違いが出やすいのは、移動中の位置更新頻度、通知方法、情報共有の考え方です。
- 社外セキュリティや物理ロックと組み合わせ、「盗ませない」と「見失わない」を両立することが大切です。
1. まず前提:GPSトラッカーは「盗ませない装置」ではない
車両盗難対策は、大きく分けると盗ませない対策と動かされた後に見失わない対策に分かれます。 ハンドルロック、タイヤロック、社外セキュリティ、イモビライザーなどは、盗難を防ぐための対策です。
一方、GPSトラッカーや車両追尾システムは、万一車が動かされた場合に、位置情報を確認し、初動対応を支援するための装置です。 つまり、GPSトラッカーは「盾」ではなく、盗難後に見失わないための備えと考えるのが自然です。
重要: GPSトラッカーを付けたからといって、車両盗難そのものを防げるわけではありません。 まずはプロショップによる社外セキュリティや物理ロックで盗ませない対策を行い、そのうえで追跡・追尾の備えを重ねることが重要です。
2. スペック比較:PITBULLとREGUITの設計思想
| 比較項目 | PITBULL GPS TRACKER | REGUIT |
|---|---|---|
| 主な目的 | 車両の異常検知、位置確認、移動履歴確認、家族での見守り。 | 車両盗難時の初動通知、追尾、情報共有、発見・奪還支援。 |
| 位置更新の考え方 | 移動から停車するごとに位置情報を更新。完全停車時でも5分ごとに位置情報を更新。 | 盗難追尾時は約5秒間隔で高頻度に位置情報を更新。 |
| 異常通知 | 振動・エンジン始動・車両移動を検知し、スマートフォンへ通知。 | アプリ通知に加え、電話通知でオーナーに異常を知らせる設計。 |
| 測位方式 | GPS・国内4キャリア基地局電波・Wi-Fiを組み合わせた位置情報取得。 | GPS・Wi-Fi・携帯基地局情報などを活用し、GPS単独では弱い場面での位置把握を補助。 |
| 電源 | 車両電源+ユニット内蔵バッテリー。車両バッテリー切断時も監視継続を想定。 | 車両給電+内蔵バッテリー。盗難時の追尾継続を重視。 |
| 共有 | 1つのデバイスで最大5台のスマートフォンと接続可能。 | 複数端末での確認に加え、SNS拡散機能で広く情報共有する考え方。 |
| 向いている用途 | 家族での見守り、車両の異常通知、位置確認、移動履歴確認。 | 高盗難リスク車両の盗難時追尾、深夜の初動対応、拡散による発見支援。 |
3. 積載車・レッカーで持ち去られた場合の違い
ここでは、エンジンを始動せず、積載車やレッカーなどで車両が動かされたケースを想定します。 この場合に重要なのは、どれだけ早く気づけるか、そして移動中の車両をどれだけ細かく追えるかです。
STEP 1:盗難に気づけるか
PITBULL
振動・エンジン始動・車両移動などを検知し、スマートフォンに通知します。 車両に異常が起きたことをアプリで把握できる点が特徴です。
REGUIT
アプリ通知に加え、オーナーが気づきにくい場合に電話通知で知らせる設計です。 深夜・早朝の盗難では、音で気づける通知が初動に影響します。
STEP 2:移動中の車両を追えるか
PITBULL
移動から停車するごとに位置情報を更新し、完全停車時でも5分ごとに位置情報を更新します。 停車ポイントや移動履歴を把握しやすい設計です。
REGUIT
盗難追尾時に約5秒間隔で位置情報を更新します。 移動中の車両を細かく追いやすく、進行方向や曲がったルートを把握しやすい点が強みです。
STEP 3:関係者と情報共有できるか
PITBULL
最大5台のスマートフォンと接続でき、家族など限られた範囲での共有に向いています。 家族単位で車両を見守りたい場合に使いやすい設計です。
REGUIT
位置情報の確認に加え、SNS拡散機能によって、仲間・ショップ・地域の目を活用する発想があります。 盗難時に多くの目で発見につなげたい場合に相性があります。
4. 地下・屋内・コンテナで見失わないための考え方
GPSは屋外で強い一方、地下駐車場、屋内駐車場、立体駐車場、倉庫、コンテナ、金属に囲まれた場所では測位が不安定になることがあります。 そのため、盗難対策用GPSでは、GPS単独ではなく、基地局測位やWi-Fi測位などの複数測位に対応しているかが重要です。
PITBULLもREGUITも、GPS以外の測位情報を活用する点は共通しています。 ただし、どの環境でも必ず正確に測位できるわけではありません。 比較する際は「地下でも必ず見つかるか」ではなく、GPSが弱い場面でどれだけ粘れる設計かを見ることが大切です。
GPS単独では弱い場所がある
地下、屋内、立体駐車場、ビル街、コンテナ周辺ではGPS電波が遮られ、位置精度が落ちる場合があります。
複数測位が重要
GPSに加え、基地局やWi-Fi情報を活用できると、GPSが不安定な場面でも位置把握を補助できる可能性があります。
更新頻度も重要
位置が取れていても、更新間隔が長いと移動中の車両を追いにくくなります。 盗難時は更新頻度が大きな差になります。
通知に気づけるか
どれだけ測位できても、オーナーが盗難に気づけなければ初動が遅れます。 深夜でも気づける通知設計が重要です。
5. REGUITが重視している「追尾」の考え方
REGUITは、一般的な位置確認用GPSではなく、車両盗難時の初動と追尾を重視したシステムです。 特に重要なのは、盗難発生時にオーナーへ確実に知らせること、移動中の車両を細かく追うこと、そして情報を共有しやすくすることです。
電話通知
アプリ通知だけでなく、電話で異常を知らせることで、深夜・早朝でも気づける可能性を高めます。
約5秒間隔の位置更新
盗難追尾時に高頻度で位置情報を更新し、動いている車を点ではなく線で追いやすくします。
複数測位
GPSに加え、Wi-Fiや携帯基地局情報などを活用し、GPS単独では弱い場面での位置把握を補助します。
SNS拡散機能
盗難時に車両情報を広く共有し、多くの目で発見につなげることを支援します。
6. どちらを選ぶべきか
PITBULLとREGUITは、どちらも車両盗難時の位置確認に役立つ製品ですが、設計思想が異なります。 家族で車両を見守りたい、異常検知と位置確認を手軽に取り入れたい場合はPITBULLが候補になります。 一方で、盗難時の初動通知、移動中の高頻度追尾、情報拡散まで重視する場合はREGUITが候補になります。
PITBULLが向いている人
- 大手メーカーのGPSトラッカーを選びたい
- 振動・始動・移動の通知を受け取りたい
- 家族で最大5台まで共有できれば十分
- 現在地や移動履歴を確認したい
- 日常の見守り用途も重視したい
REGUITが向いている人
- 盗難時の初動通知を重視したい
- 深夜・早朝でも気づける電話通知がほしい
- 移動中の車両を細かく追いたい
- 高額車・盗難リスクの高い車種に乗っている
- SNS拡散など、発見につながる情報共有も重視したい
7. まとめ:比較の本質は「位置が見えるか」ではなく「盗難時に見失わないか」
GPSトラッカーを比較するとき、価格やメーカー名だけで判断してしまいがちです。 しかし、車両盗難対策として考えるなら、本当に重要なのは、盗難発生時に気づけるか、移動中の車両をどれだけ細かく追えるか、位置情報をどれだけ共有しやすいかです。
PITBULLは、異常検知と位置確認を手軽に取り入れやすいGPSトラッカーです。 REGUITは、盗難時の電話通知・約5秒間隔の追尾・SNS拡散機能を重視した車両盗難時追尾システムです。
どちらを選ぶ場合でも、GPSトラッカーだけで盗難を防ぐことはできません。 社外セキュリティ、物理ロック、駐車環境の見直しと組み合わせて、 「盗ませない対策」と「見失わない対策」の両方を整えることが大切です。
REGUIT vs PitBull比較。GPSはついていればいいわけではありません。機能と目的を理解してつけるべし!
REGUITとPitBullの比較を図解解説のリーフレット画像はこちら。

