警察庁の発表によると、2025年上半期の自動車盗難件数ランキングで、アルファードはワースト3位。
しかし、件数では2024年の同時期の303件に比べて、191件と減少している。
アルファードの盗難実態について考えてみたい。
アルファードがそもそも盗まれる、そのワケとは?
アルファードはトヨタのアジア戦略車といっても過言ではない。
現在、販売されているアジア諸国がこちら
タイ
インド(ヴェルファイア)
ベトナム
インドネシア
マレーシア
シンガポール
フィリピン
他にもあるだろうが、フィリピンとベトナム以外はすべて、日本と同じ左側通行、右ハンドル仕様だ。
つまり、アルファードを盗難して海外に輸出すれば、車もそうだが、すべてのパーツが流用できるということになる。
アジア圏が輸出先となるのは経済成長の影響が
それぞれの国の2024年の実質経済成長率を調べてみた。
ベトナム 7.091%
インド 6.495%
フィリピン 5.692%
マレーシア 5.105%
インドネシア 5.030%
シンガポール 4.388%
タイ 2.540%
日本の1970年代の実質経済成長率が4.5%であったが、1970年から1980年の10年間で現金給与総額はおよそ3倍になっていた。
それに伴い、物価上昇もあるため、給与増分がそのまま経済活動につながったわけではないが、この数値は物価高も考慮した実質経済成長率なので、アジア諸国でも10年で所得が3倍近い上昇があった可能性は高い。
つまり、経済的に豊かになったアジア圏では、アルファードなども購入できる層が増加しているのは間違いないということだ。
ちなみに、タイでは
アルファードの最高グレードが 2.5Lハイブリッドラクジュアリーだが、販売価格は
日本円に換算すると、およそ2,300万円。
日本販売モデルでの2.5Lのトップモデルは、エグゼクティブラウンジ。
こちらの販売価格は、860万円となっている。
タイの自動車輸入の関税は、バカ高いのも要因のひとつにはなっているが、それにしても高い。
お隣のマレーシアも似たような実情で、販売価格は2,100万円。マレーシアも自動車の輸入関税が高い国だ。
ちなみにインドネシアは、およそ1,600万円で販売されている。
上記の二国と比べると関税はかなり安いことを考えても、やはり日本国内の価格より高いのだ。
価格が高くても売れる富裕層が確実に増えているのが、昨今のアジア各国。
アルファードが売れるのもうなずける環境があるのだ。
狙われるアルファードは?
実際に狙われているアルファードは、おそらく30系と40系だろう。
タイの中古車情報を調べてみると、2017年式の30アルファードは、600万円ぐらいから、高いものはいまだに1,000万円をこえている。
市場価格が高止まりしているということは、明らかに需要があるのだ。
そして、車が売れているということは、パーツも売れるということ。
輸出時のリスクを考えると、日本国内でばらして、パーツとして販売、あるいは、現地で組み立てるということも行われている可能性もある。
JAFサイトのブログ記事でも、30系の盗難が増加していることへの注意喚起がされている。
もちろん、40系は新車もあり、中古車市場も高止まりしているため、盗難件数はそれなりに多いはずだ。
しかし、2025年は減少傾向
2023年。アルファードの自動車盗難件数は700件。2024年は408台。と実は減少傾向。
2025年は、さらに盗難件数は減少傾向にある。
2023年といえば、40がデビューした年。
当初は世界的需要増により、生産が追い付かない状況だったのは日本国内だけでなく、世界も同じだ。
2024年後半から減少傾向にあるのは、ようやく納車までの期間が短くなってきたタイミングともリンクする。
さらに30系のパーツ調達なども、自国で可能になってきたことも明らかだ。
しかし、今後も盗難対策が必要な車であることは間違いない。
実際、トヨタ自身も、セキュリティ面の強化という名目で、オプションのセキュリティシステムをリリースしたし、トヨタ系量販店のジェームスでも、電子イモビシステム「ガルドム」の販売施工を開始しているのだ。
トヨタの本気。純正セキュリティ

トヨタディーラーで取り付け可能な、トヨタ純正セキュリティは現在、3種類。
さらに、完全純正というわけではないが、トヨタ系量販店ジェームスが導入した「ガルドム」
サードパーティーの社外イモビに匹敵する性能を持つセキュリティシステムだ。
導入コストは比較的リーズナブルだし、メーカー純正という安心もあり、おススメのサービスだ。
いずれも、抑止力という観点からみて、強力な武器になるシステム。
もちろん、アルファードも対象になっているので、セキュリティ強化の第一歩として、検討してみてほしい。
メーカー保証も3年または6万キロと充実していて、万一の故障やトラブルはディーラーが対応してくれる安心は大きい。
だが、一方で、サードパーティーの社外イモビとの共存は難しそうだ。
社外イモビも、エンジンカットやドアロックといった、車のシステムに介入するため、追加で取り付けた時点でメーカー保証が効かなくなる可能性が高いのだ。
保証よりも、安心安全を優先するのであれば、問題ないが、保証が効かなくなるリスクがあることを承知しておく必要があるだろう。
まとめ
自動車盗難は、金銭的な損害のみならず、車への想いや、大切な思い出までも奪ってしまう犯罪だ。
しかし、刑罰が緩く、他国と異なり、命の危険が少ない犯罪でもあるのが窃盗罪。
安全な国ゆえのジレンマかもしれない。
言い換えるなら、日本は世界でもっとも安全かつ、少ないリスクでアルファードを盗める国といえる。
そんな犯人に安易にあなたの大切なアルファードを盗ませてはならない。
そして、万一盗まれてしまったとしても、車を取り戻せるシステムも必要な時代なのかもしれない。
トヨタの純正セキュリティしかり、社外イモビ含めた盗難防止対策も完璧・絶対ということはない。
機械故障なども含めて、100%はないのだ。
自動車盗難での被害を最小限にとどめたいのであれば、盗難防止と盗難発生時の追尾システムも考慮に値する。
もちろん、対策費用はあがってしまうが、車が戻ってこなかった時の損失の方が大きいと考えるのであれば、予算に見合うシステムの導入も考えてみてほしい。
自動車盗難でだれも不幸になって欲しくない。
だからこそ、自動車盗難対策は、躊躇せず導入してほしい。心からそう思うのだ。
