警察庁の2025年上半期の自動車盗難件数発表によると、ワースト10車のうち、9車種をトヨタ車が占めている。
その中でも、プリウスは2位にランクイン。
2024年は通年で3位だ。
しかし、プリウスが盗まれる理由が、ほかのランドクルーザーや、アルファードやハイエースといった車と若干、異なるようだ。
それは、いまはプリウスがほとんどのアジアの国では売れらていないという事実が物語っている。
(過去には売られていたが現行モデルは販売されていない)
ランドクルーザーは、アジアはもとより、中東やアフリカなどで販売されている。
アルファードもアジア圏の多くの国で販売されているが、プリウスが売られているのはアジア主要国ではシンガポールのみ。
トヨタ車の人気がある、タイやインドネシアなどでは売られていない。
プリウスの主な輸出先は、欧州各国なのだ。
今後は、トヨタの世界戦略次第で輸出国が増える可能性はあるが、少なくとも、現状では、他のトヨタ車とは異なる。
ここの意味することを、考えてみようと思う。
窃盗団と需要先が異なる

写真はイメージ
ランドクルーザーやアルファードは、盗難した後、パーツを輸出するためにヤードでばらされるケースがほとんどだ。
目的は、その多くが海外への輸出だ。
一方で、輸出されている国の関係で、海外への流出が、他車と比べて少ないと推測されるプリウス。
もちろん、諸国を経由して、販売されている国への輸出もあるだろう。
しかし、需要が決して多くないことを考えると、国内の市場にパーツなどが流出している可能性が高いといえるだろう。
関わっている窃盗団は同じ組織かもしれないが、少なくとも現行モデルは輸出されるケースが少ないことは間違いなさそうだ。だが、30や50は海外でも需要があるため、海外への流出もそれなりにあることは推測できる。
市場の多くは日本国内が主流だが、旧モデルは海外流出も?
プリウスの日本での年間販売台数は、ばらつきはさておいて、ざっくり10万台。
もちろん、新型の60も盗難されるのだが、メーカー保証が切れて、民間工場での修理等が発生している30や50の方がむしろ需要があるのかもしれない。
50系の中古車市場価格を見ると、高いものはいまだに300万越え。
60系にいたっては500万円越えもざらにある。
30系ですら200万円近い車も存在する。10年以上落ちでも、この価格なのだ。

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中古車の価格が高いということは、需要が存在するということ。
つまり、パーツも車も売れるということなのだ。
しかし、ランドクルーザーやアルファードなどと比べると、利益が多いとは言えないプリウス。費用をかけて海外へ流すよりも、やはり国内で流通させる方が車盗難ビジネスとしては成立しやすいだろう。
さらに、ランドクルーザーやアルファードと一緒に海外に流すという形態も多くあるかもしれない。
タイなどでは旧モデルの30や50が中古車市場では人気だ。
パーツの需要はある可能性が高いからだ。
安くなっているのであればセキュリティは対価に見合わない
盗難防止および盗難追尾のセキュリティはそれなりに高額だ。
盗難追跡追尾システムでは、月額の利用料・通信料がかかってくる。
そのため、車両価格が安いのであれば、かけた費用に見合わないともいえる。
しかし、プリウスはまだまだ市場価格が高い車が多く出回っている。
アシ車の粋を超え、自分の愛すべき車として、カスタムしたり、いろいろなことにこだわったりしている方も少なくないだろう。
もちろん、カスタムしているのであれば、万一、盗難されてしまった場合は
必ずといっていいほど、金銭的に損をする。
車の購入費用はおろか、カスタム費用は盗難保険では賄いきれないのだ。
だからこそ、プリウスに乗っていて、愛着があり、
経済的な損失や、精神的なダメージを軽減するためには
カーセキュリティはつけておくべき、車の一台といえる。
特に、特に盗難多発エリアに住んでいるのであればなおさらだ。
なぜなら、他の車が盗まれているということは、犯罪組織がそのエリアに多く存在するということ。
先述のように、ランクルやアルファード系と一緒に盗難され、海外へと流される確率は高くなるのは当然のことだ。
盗難防止か盗難追尾か?
先述したように、プリウスの盗難の目的は、日本国内向けでのパーツ転売の可能性が高いが、他の車種との抱き合わせで海外へと流出している可能性がある。
盗難犯の元締めは、ランドクルーザーやアルファードと同じと想定するのであれば、
持っている技術は同レベル。組織もプロだ。
そうなると、盗難対策は、やはりランドクルーザーや、アルファードと変わらない。
一方で、海外輸出を考慮するなら、利益は低いので、犯人の熱量は明らかに違うことが推測される。
そういった意味では、盗難犯に、盗むのは面倒だと思わせるだけでも
抑止効果は大きいのかもしれない。
必然的に、ランクルやレクサス、アルファードなどとは選ぶセキュリティシステムも異なってくるだろう。
そこで、自動車盗難への備えとして、どんな対策を選ぶべきかを考えてみよう。
物理的防止策は現実的ではない

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ハンドルロックや、ブレーキロック、ホイールロックなどが簡易的な盗難防止策として勧められることが多い。
それは、導入のコストが低いからだ。
しかし、この物理的対策は大きなデメリットがある。
取り付けと取り外しを毎回続けるのが つらくなる可能性が高いということだ。
盗難防止策は、いつも効果がなければ意味がない。
どんなときも、防止できるようになっていなければ、万一の盗難を防ぐことはできないのだ。
社外イモビの効果はテキメンだ
電子的対策である、国内外の多くのブランドが存在する、社外イモビライザー。
犯人に面倒くさいと思わせるために、最も有効なのが社外イモビライザーといえるだろう。
サイレン発動や、ドアが開かない、エンジンがかからない。
これらの機能は、テキメンの効果があるのは間違いない。
ただし、本当の意味での抑止力になるのは、
信頼できる本物のプロにつけてもらった、社外イモビシステムだ。
セキュリティをつけるのであれば、そのショップが発信している情報や
製品説明の時に、納得できる話をしてくれるお店を選んでほしい。
まず、これしかない といって、特定のブランドだけを薦めてくるお店は、絶対に避けたいところだ。
そして、作業時間が短いお店も考慮すべきだ。
作業時間が短いということは、ある意味、簡易的なつけ方をしている可能性が高い。
もちろん、すべてのお店がそうではないだろう。
しかし、極端に作業が早いことを売りにしているとしたら、それは危険信号といわざるを得ない。
それほど、セキュリティシステムのインストールは甘くないと思っている。
第三の選択 盗難時追尾システム
物理的対策、社外イモビライザー以外の第三の選択として、盗難時追尾システムについても考えてみたい。
ここであえて、一般的な盗難追跡ではなく、追尾という言葉を使っているのも意味がある。
市場に出回っている、盗難追跡を標榜している製品の多くが、車の位置はわかるが、
車を追尾はできていないという事実だ。
走行軌跡が見えない、いまどこにいるのかを、本当の意味でのリアルタイムで確認できないシステムが、万一盗難にあった車を無傷で取り戻せる可能性はどれほどだろうか?
位置情報のタイムラグが、車を見つけるときに大きなロスになり、見つかるまでの時間がかかる要因になりうる。
しかし、位置情報がつねに今の車の位置を伝えているのであれば、盗難されてしまった車を発見できる確率は飛躍的にアップすると思わないだろうか?
つまり、巷でGPSトラッカーといわれている製品は、どれも同じではないということ。
そして、その多くの製品が、実は、車を取り戻すという点においては、性能が不足しているケースが多い。
GPSをつける目的は、
位置を確認したいわけではないはずだ。
車を取り戻すことが本来の目的であるべきだ。
その視点から、もし盗難時追跡あるいは追尾するためのシステムをよく吟味してほしい。
せっかくお金をかけるのだ。
本当に、車を取り戻せる可能性が高いシステムを選ぶべきだ。
追伸
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